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【読書録】『非常識な建築業界 ~「どや建築」という病~』

 

 

非常識な建築業界 「どや建築」という病 (光文社新書)

非常識な建築業界 「どや建築」という病 (光文社新書)

 

 

 

いままではtxtファイルやA4用紙にメモ書きしてきたけれど、折角なのでブログに読書メモも残していこうかなと。メモなので文体も変えて。

 

建築CGパースの会社に所属して半年ながら、それまで建築もCGも未経験ということもあり知識の補完兼ねて買って読んでみました(序に言うとKindleセールだったので)。

 

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正直なところ…始め1割読んでみて、言葉を失った。

クライアントとの打ち合わせにたまに同席してみて薄々感じては居たが…思った以上にこの業界酷いな、というのが率直な感想。

 

此処数日、中国深センの最先端の姿をTwitterのコメントや記事を通して浴びる機会が多かったので、尚更酷い。実に酷い。

「つくったは良いけど誰も利用しない施設」の抱える闇、みたいな話が延々出てきて辛い。

 

※この辺とかご参考に

 

第7回ニコ技深圳観察会(2017年04月) 感想まとめ:tks(高須 正和)のブロマガ - ブロマガ

 

著者が繰り返し批判していたのが脱構築主義建築

従来の建築が当然のように守ってきた「建物を立てる上でのルール」からぶち壊そうとする流儀、という印象を受けた。

 

新国立競技場問題の根底にある脱構築主義ってのは、現代アート的な考えを建築に当てはめてしまったモノ、という解釈をしたのだが、合っているだろうか。そして、「いい大人なんだから、そういうことは他人に迷惑がかからない範囲でやりましょうね」っていう話に集約されるんだろうか。

 

「普通の」「無個性の」建築から脱構築主義へ。大型建造物から、小規模建造物へ、そして住居へ。既に戸建が飽和している中で、彼ら建築家は何処を目指すのか。

そして彼らに一戸建の建築を依頼する我々一般人側からすれば、そういう流れの変化がある中で、自分が作って欲しいものとマッチするかどうか、という視点を持っておくしか無いのか。

 

40歳以下の建設業就業者が全体数の2割に満たず、実質最高決定権を持つ(現場)工事監督はじめ管理領域に於いては労働派遣法の改正により派遣労働が増えた結果、その場限りの面々による報告書上での「体裁の良い」作業が繰り広げられ、当然のように人材は育たない。

 

後半は(余りの現状の酷さに)読むのがしんどかった。
ただおかげで下請けの末端の末端ながら、業界のイメージがぼんやり頭に浮かんできた。実際に施工や設計やってる人も身近に居るし、現実はどうなの?って処をちょっとずつ聞いていってみようと思う。